グリーンペイント寺沢です

北区篠路住宅の続きになります。
既存コーナー材の腐食



















木材下場小口が水切りに密着しています
木材下場木口が水切りに接触しているので、この状態を見る限り

下場木口は一度も塗装されていないと思われ、その結果として

上の写真のような極端な腐食が発生しています。
下場に隙間を作ります
このような水切り金物は1cm以上隙間があるのが望ましく

隙間が狭いと、刷毛が奥まで入らず塗り残しが出やすいことと

表面張力が働き、水が切れず、水に晒られる時間が長くなり

腐敗を促進させるので1cm位カットして隙間を作ります。
雨水の表面張力が影響しない大きさの隙間が必要です
コーナー木材は全て水切りに接触していたので調整しました。
突合せて接着剤で固定しているだけなので隙間が出来ます
コーナー材は両側の木材を接着剤で組み立てた形なので

時間の経過と共に水分の影響で口が開いてきます。
浸水予想箇所は対策します
このような構造のコーナー材はコーナー角から劣化が進行しやすく

有効な対策を打ち出せないでいたのですが

当店が冬期間に関東で曽根塗装店店主曽根さんと仕事をしていた時です

曽根塗装店の技術力の高さと塗装知識の豊富さに感動しました。

このコーナーを片側のみ5mm程度削り込み、そこにシーリングを詰めることで

確実にコーナー開きと浸水を阻止することが出来るのです。
角部にシーリング用うちしろを作ります
曽根さんには沢山のことを勉強させて頂きました。

活用させてもらっています、ありがとうございます。
腐食箇所は撤去
樹脂サイディングはノーメンテナンスで経済的という売り込みでしたが

篠路住宅は築年数18~20年位で主だった欠損もなく

日当たりの良い面はチョーキングは発生していますが樹脂の基材が

脆くなったりはしていないようで、この調子でいけば

30年位の耐久性がありそうなので、その面では優秀ですが

木部との組み合わせで使用してはいけない建材ではないかと思いました。

後ほどその理由を説明させていただきます。
新しい木材と交換
腐食により木材としての強度が無くなった個所のみ交換します。
比較的腐食に強い木材を選定してあります
大工ではないので木材に対して豊富な知識を持ってはいませんが

私の知る限りで、既存木材の腐敗程度からSPF材を使用しているのでは

ないかと思う節が各所であります。

スウェーデンハウスの木材を塗装する機会がありますが

篠路住宅のような腐敗はしていないことが多く、耐腐食性の高い木材を

使用しているものと思います。


今回補修材には外部使用に適して、かつ加工性も良好、油脂が多すぎると

木材塗装塗料との密着性に影響が出ると困るのでそこも考慮に入れて

木材を選定してあります。
コーナー材の加工
コーナー材は突合せ箇所に角度をつけてあるので、それに合わせて

カットしていきます。
突合せ部の角度を合わせます
腐食箇所のみ交換していきます
交換箇所の取り合いはシーリング処理します
新しく取り付ける木材は含水率や伸縮率が既存木部と違うので

取り付け後の動きに対応できるように取り合い部位はシーリングで納めます。
このビスは期待できます
ステンレスビスよりも耐食性が高いとは
これは最近のお気に入りビスなのですが、ステンレスビスよりも若干ですが

安くて、かつステンレスビスよりもサビにくい特殊メッキ処理が施されている

ビスです。
コーススレッドはここまでサビてしまいます
本来の強度は残っていません
既存ビスの腐食具合から通常のコーススレッドは絶対に使用できないので

こちらのビスを使用していきます。
補修木材取り付け箇所はあらかじめ塗装しておきます

メイン柱取り付け箇所も同様に広い塗しておきます
腐食木部は取り外し新しい木材を取り付ける部位はあらかじめ塗装しておくことで

耐久性を上げることが出来、簡単な木部加工であれば大工が作業を行うより

塗装工が組み立てを行うほうが、このような処理が沢山出来るので

作業完成度を高めることが出来ると思います。
水平を確認して固定していきます
既存ビス穴等も防水処理しておきます
凹部は浸水しやすいので木部用シーリングで補修しておきます。
隙間は全て塞いでおきます
構造的な問題も多く含まれています
シーリング密着性向上プライマーを塗布
樹脂サイディングと木部の取り合いは危険です
樹脂サイディングと木部の組み合わせには構造的な無理があり

この隙間の裏側って木部だけど、塗装入っているのか?

新築時、組み立て前に塗装済みにするほど段取りが良い施工には見えず

怪しいところが満載で、その結果このような木材腐食が多発しているのかなと

樹脂サイディングのコーナーパーツの収まりを確認しつつ作業を進めます。


続く