北区新琴似住宅の続きです。
外壁剥離作業が終わり、その後に高圧水洗浄作業をおこないましたが
洗浄作業が終わると、ビックリするような大きな亀裂があちこちにある?!
大きな亀裂とは・・・亀裂幅が4cm!もあるような大亀裂とでも言いましょうか
兎に角、滅多に見ることが無いような亀裂です。
亀裂を観察すると底面に当たるものが無い?貫通した亀裂で
この亀裂は明らかにおかしい!このような亀裂が発生している理由は?
屋根上を見るとすぐに理解できました。
建物正面側の吹き抜け駐車場上部は増築した部位らしく、既存の建物と増築部分の
取合いには、大きな亀裂が発生していたようで、今までの施工経験上からも
増築部は何かと問題が起きることが多く、後付けはあまり良い事ではないようです。
その他にも外壁には大小、多くの亀裂が発生していました。
新琴似住宅には煙突が2本あり、どちらの煙突とも劣化が進んでいる。
屋根トタン取り合い部の浮いているモルタルを撤去すると、煙突モルタル内に
収まっていたトタンの付け根が腐食して穴が空いていました。
また、正面庇部位に当たるところでは下場角に横方向へ大きな亀裂が発生していて
不自然な亀裂なので、その真上を調べると水切りトタン?らしきものがある
水切りトタンの取り合いを確認すると・・・とんでもない収め方です。。。
後付けではなく増築施工時に付けられたとしか考えられない水切り端部が
外壁モルタル内に埋め込まれずに後付け水切りのようにトタン端部が露出している?
水切り端部をシーリングで簡易防水しているだけなのでシーリングが切れると
ドンドン内部に浸水します、おかしな亀裂の原因はどうやら増築施工を担当した
工務店の技術、知識不足が大きな要因のように感じられてきました(*_*;
巨大亀裂は底が無いので、極太バッカー材を詰めて底作り、亀裂内部の両側面に
シーリングが良く付着するように施工には細心の注意を払い
シーリング乾燥後にポリマーセメントで平滑に均し、その他の大きい亀裂は全て
下地防水にシーリングを充填してからのポリマーセメント均しで
ヘアークラックのような細い亀裂には直接ポリマーセメントを
充填するように均して、外壁の下地処理を行います。
外壁下地処理だけで5日もかかったのは初めての経験で
ここまで下地の劣化が進むと、一筋縄ではいかなくなりますね^^
新琴似住宅では前回塗替え工事でも今回の工事ほどではなくとも大きな亀裂が
発生していたようで、その亀裂処理を行っていた形跡がありました。
今回同様に亀裂底が無いところもあったようで、代用品にはビニールテープを
クシャクシャに束ねてそれを詰め込んであり、亀裂には柔軟性の高いシーリングを
使用せず、代わりに柔軟性の無いセメント系材料を亀裂に直接充填していたようで
外壁塗装を剥離すると亀裂に追従できなくてスカスカに浮いて充填剤の
役目をはたしていないようなセメント系材料が見られました。
この処理を行った亀裂は施工後数年で大きな亀裂を再発し、今回の塗装工事
までの間、長い年月、建物内部へ雨水を浸水させてしまう原因となっていたようです。
塗装工事は上塗りを塗ってしまうと下地の処理をどのように行ったかは
見えなくなってしまう工事です。
そのような工事ゆえに的確な材料や工法を用いて作業を行わなかった場合
長期間、建物に深刻なダメージを与えてしまうことになります。