グリーンペイント スタッフのブログ

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2017年10月

グリーンペイント寺沢です


本日は4年前に施工させていただいた、西区八軒のアパートの現状確認に伺っています。

このアパートの廊下、階段は半屋外とでもいうか、天井庇が大きく突き出していて

風の強い日など以外は、雨が廊下にかからないような作りをしています。

工事依頼では「鉄骨階段のサビがドンドンひどくなるので塗装してほしい」とのご依頼

現状を確認すると鉄骨の裏場、床面の裏側に当たる部位のサビがほかの箇所に

比べて酷く進行しており、通常の経年劣化によるサビとは明らかに違うサビでした。

このようなサビが発生する原因とは・・・

「下がサビているときは上を疑えッ!!」^^

廊下や階段の床面、土間コンクリートにひび割れが発生して鉄骨階段との取り合いにも

あちらこちらに大きな隙間が空いている!

土間コンの防水性がなくなり、上から雨が降るたびにドンドン、受け皿状の鉄骨に

水が入ってくる?受け皿状の鉄骨?とは。。。

新築施工時には鉄骨階段を先に組み建て、凹部のような形をした受け皿状の部位に

コンクリートを流し込んでいく、コンクリートには流動性があり形状を維持できないので

受け皿状の形をしていないと端からドロドロと下に流れ落ちてしまいます。

液体の受け皿になるような形状をしている鉄骨階段の床面用鉄骨。。。

ということは雨水も液体なので同じように受け皿内へ溜まってしまう( ゚Д゚)

鉄骨下場に水抜き用の穴が空いていることもありますが、その穴から水が落ちている

こともあるが、水が抜けないパターンもあるので、あてにならないことも多い。

鉄骨階段の劣化を止める、確実な方法としては「上から水が入らないよう塞ぐこと」

シンプルですが確実、シンプルなものほど安定していることが多い^^

ということで、4年前に床面を塗装防水で防水処理し、床面と鉄骨の取り合いには

シーリングをオーバーブリッジ工法で施工、オーバーブリッジ工法は

同じ高さの面を跨ぐように発生している隙間、そのままシーリングすると厚みを確保

できないのでシーリングを打つ両サイドに角型バッカー材を取付け、そのバッカー材の

厚み分をシーリング厚に出来シーリング耐久性を高くすることが出来る工法です。
端部はオーバーブリッジシーリング施工、しっかり持っていますね!
床塗装防水面に剥がれは無く、歩行負荷のかかる場所として良好な経年状態です。
4年前に施工した半屋外廊下の床塗装防水
特に階段部の踏み面は、昇降の際に力強く踏みつけられるので劣化しやすい

箇所ですが、ここも良い状態をキープしています。
階段踏み面も良い感じです
オーバーブリッジ施工のシーリングも断裂なく、きちんと防水機能を果たしている

今回の現状確認では負荷の高い歩行箇所でも、専用プライマーを塗布して

各施工を入念に行うと、剥離クレーム事例の多い床面施工でも十分な耐久性を

発揮してくれることを再度確認できました。
写真がぼけていますが鉄骨裏面もサビていない^^

グリーンペイント寺沢です。


北区新琴似住宅の続きです。

外壁剥離作業が終わり、その後に高圧水洗浄作業をおこないましたが

洗浄作業が終わると、ビックリするような大きな亀裂があちこちにある?!
幅4㎝もある亀裂が!
大きな亀裂とは・・・亀裂幅が4cm!もあるような大亀裂とでも言いましょうか

兎に角、滅多に見ることが無いような亀裂です。
この亀裂は大きすぎます
亀裂を観察すると底面に当たるものが無い?貫通した亀裂で

この亀裂は明らかにおかしい!このような亀裂が発生している理由は?

屋根上を見るとすぐに理解できました。
増築部位との取り合いに発生した亀裂
建物正面側の吹き抜け駐車場上部は増築した部位らしく、既存の建物と増築部分の

取合いには、大きな亀裂が発生していたようで、今までの施工経験上からも

増築部は何かと問題が起きることが多く、後付けはあまり良い事ではないようです。

その他にも外壁には大小、多くの亀裂が発生していました。
反対側の煙突も劣化が酷い
根本のトタン穴、漏水が発生していたのではないかと思われる
新琴似住宅には煙突が2本あり、どちらの煙突とも劣化が進んでいる。

屋根トタン取り合い部の浮いているモルタルを撤去すると、煙突モルタル内に

収まっていたトタンの付け根が腐食して穴が空いていました。
煙突も劣化が進んでいる
トタン根元には穴が空いている
また、正面庇部位に当たるところでは下場角に横方向へ大きな亀裂が発生していて

不自然な亀裂なので、その真上を調べると水切りトタン?らしきものがある
庇部位の下端角に亀裂が
水切りトタンの取り合いを確認すると・・・とんでもない収め方です。。。

後付けではなく増築施工時に付けられたとしか考えられない水切り端部が

外壁モルタル内に埋め込まれずに後付け水切りのようにトタン端部が露出している?
庇上の水切りトタンの収まりがおかしい?
水切り端部をシーリングで簡易防水しているだけなのでシーリングが切れると

ドンドン内部に浸水します、おかしな亀裂の原因はどうやら増築施工を担当した

工務店の技術、知識不足が大きな要因のように感じられてきました(*_*;

巨大亀裂は底が無いので、極太バッカー材を詰めて底作り、亀裂内部の両側面に

シーリングが良く付着するように施工には細心の注意を払い
底面の無い亀裂なので極太バッカー材で底面を作る
シーリング乾燥後にポリマーセメントで平滑に均し、その他の大きい亀裂は全て

下地防水にシーリングを充填してからのポリマーセメント均しで
下地シーリング防水後に樹脂モルタル均しで平滑に
ヘアークラックのような細い亀裂には直接ポリマーセメントを

充填するように均して、外壁の下地処理を行います。
下地処理の亀裂補修だけで5日もかかった^^;
外壁下地処理だけで5日もかかったのは初めての経験で

ここまで下地の劣化が進むと、一筋縄ではいかなくなりますね^^
写真の土嚢袋の5倍くらいの剥離塗膜が出ました


新琴似住宅では前回塗替え工事でも今回の工事ほどではなくとも大きな亀裂が
発生していたようで、その亀裂処理を行っていた形跡がありました。
今回同様に亀裂底が無いところもあったようで、代用品にはビニールテープを
クシャクシャに束ねてそれを詰め込んであり、亀裂には柔軟性の高いシーリングを
使用せず、代わりに柔軟性の無いセメント系材料を亀裂に直接充填していたようで
外壁塗装を剥離すると亀裂に追従できなくてスカスカに浮いて充填剤の
役目をはたしていないようなセメント系材料が見られました。
既存施工の亀裂処理
亀裂にモルタルを詰めたようで全部浮いています
この処理を行った亀裂は施工後数年で大きな亀裂を再発し、今回の塗装工事
までの間、長い年月、建物内部へ雨水を浸水させてしまう原因となっていたようです。
塗装工事は上塗りを塗ってしまうと下地の処理をどのように行ったかは
見えなくなってしまう工事です。
そのような工事ゆえに的確な材料や工法を用いて作業を行わなかった場合
長期間、建物に深刻なダメージを与えてしまうことになります。




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